昭和20年の暮れ。
焼け野原と化した東京に、一人の復員兵が降り立った。
かつての仲間との約束を果たすために…。


同じころ、一人の少女が上京する。
新しい時代の演劇に夢を馳せ、女流作家として名を成すために…。


歴史とは時代や立場によってさまざまに価値観が変わるプリズムのようなもの。
この作品はそれを物語で再現しようとする試みである。


表舞台で光を受ける役者たちの叙事詩のように、
あるいはそれを陰で支える作家の抒事詩のように。


役者サイドに立った あざみの物語 
そして
作家サイドを描いた かえでの物語


一つの歌劇団を巡る全く違う二つのドラマ。
どうぞご期待下さい。